余命宣告
父83歳の夏、
「今年、年を越せるかどうか…」
Y先生はけっこう
あっさり、言うものだから。
私たち家族は
うなずくでもなく
しばらく黙ってしまった。
(余命120日、ということ?)
以前、
【肺がん ステージ4 余命】
検索ワードを入れて調べたら
5年の生存率4.4%
と出てきた。
だから、
5年は無理でも
1〜2年は
生きられるのでは
と思っていた、と伝えると
Y先生は
首を横に振って
「うまくいっても
桜の花を見れるかどうか…」
余命なんて
あくまでも統計上のもの。
人それぞれだし
あえて聞くまでもない
と思っていたけれど
先生の口から聞くと
リアルすぎて
そのときがあまりにも
すぐに来てしまう気がして
また涙がこみ上げてきた。
8月18日 治療方針
父はステージ4の肺がんなので
もともと
手術や放射線治療はできない。
肺がん細胞の
PD-L1 の発現率は
10%だった。
このPD-L1 の発現率が
50%以上だと
免疫療法が効きやすい
という。
あくまでも指標なので
発現が少なくても
とてもよく効く患者さんもいる
(その逆もしかり)
と聞いて少し
希望がわいた。
抗がん剤と組み合わせについては
PD-L1が10%だと
あまり効果が期待できないため
治療を行なうのであれば
【免疫療法】単体で、
という話だった。
免疫治療を受けるとなった場合
初回は2〜3日の入院が必要で
その後は、通院
3週ごとの投与となるらしい。
【免疫療法】は比較的
副作用が少ないのがメリット。
ただ、
免疫療法特有の
副作用がおきる
可能性があり、
それは次のとおりである。
- 皮膚障害
- 大腸炎
- 甲状腺炎
重篤な副作用になると、
- 間質性肺炎
- 劇症1型糖尿病
- 心筋炎、など。
緩和ケア
岐阜県立多治見病院
(以下、県病院)には
東濃地区で唯一の
「緩和ケア病棟」がある。
緩和ケアを受ける場
- 通院
- 入院
- 在宅療養
食欲低下
最近、
父の食欲が落ちているので
そのあたりの相談をしてみた。
がん患者さんの食欲低下には
次の要因が挙げられる。
- 原因(1)薬剤性
抗がん剤/医療用麻薬
嘔気・嘔吐、味覚障害、口内炎 - 原因(2)身体症状
疼痛/呼吸困難 - 原因(3)電解質異常
高カルシウム血症
口渇、嘔気・嘔吐、意識障害 - 原因(4)脳圧亢進
脳転移/脳出血
吐き気、めまい、ふらつき
呂律困難、意識消失 - 原因(5)悪液質
体重減少、骨格筋量の減少
代謝異常、栄養不足 - 原因(6)機能性ディスペプシア
腹膜転移
(消化管の動きが悪くなる)
消化管機能障害 - 原因(7)抑うつ
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父の場合は
まだ治療を始めていないから
やはり、
この暑さや不安に加えて
がんの進行による
ホルモンバランスの乱れ、かな。
あとは
血中カルシウム値も高いので
それも食欲低下に
つながっている。
ゾレドロン酸を
点滴注射してもらい
病院を出た。
午後3時になろうとしていた。