【入院】胸水コントロール|胸腔ドレナージ|胸膜癒着術|介護保険申請|緩和ケア

入院

8月29日 息苦しさ/変化

数日前から
父の様子がちょっとおかしい。
ほんの少し動いただけなのに
息が上がる(うまく息を吸えない)
5分ほど、動けなくなってしまう。

そしてまた
ピューピューという
呼吸の音が聞こえる。

右腕のむくみも
あいかわらず。
左腕は枯れ枝みたいなのに
右腕はぱんぱんの状態。

検査の結果、
やはり胸水が溜まっていた。

明日から
胸腔ドレナージ* を行うため
入院することになった。


胸腔ドレナージとは?
胸(肺と胸壁の間、胸腔【きょうくう】といいます)にチューブを挿入し、溜まった液体(胸水)を抜く処置のことです。

胸膜癒着術とは?
胸水が溜まる空間(胸腔)を閉じることで、胸水が溜まらないようにする処置のこと。
【施術方法】
胸腔ドレーン(チューブ)を挿入し、胸水をすべて排出する。その後、薬剤*を注入し、肺胸膜と壁側胸膜に人工的に炎症を起こして癒着させる。
* 主に使用される薬剤:鉱物製剤(タルク)、免疫賦活剤(ピシバニール®)、抗生物質(ミノマイシン®)など。


8月30日 個室

予約時間を間違えて
1時間早く来てしまった。

入院手続きを済ませ
あっちへ行って
こっちに戻ってきて
待つこと30分以上。

父は脊柱管狭窄症もあるため
同じ姿勢で座っていると
腰が痛くなってしまう。

中央点滴センターの
看護師さんにお願いして
車椅子に敷く
分厚いクッションを借りた。
(これ、秀逸です!)

父は待っている間も
息苦しそうで
肩で呼吸してしまっている。
顔色もすこぶる悪い。

車椅子の後ろに回って
肩、首の後ろ、背中に
ペパーミントを塗って
手で触れながら
お祈りしました。

「どうぞ、父に
すべてのよきエネルギーが
次々と集まり、注がれ
最善のケアに導かれますように」

父の呼吸が
徐々に落ち着いてくるのが
手を通して
わかる。

「ありがとう」
(言葉じゃなくても
伝わるね)

—–

11時を過ぎたころ、
お迎えの看護師さんが
来てくれた。

ちょっと近道をして
病室へと案内された。

個室
(とても贅沢です)

「これはいいなぁ」
と嬉しそうな
表情をうかべる父。

(感謝です)

神様……

きっと、どなたかが
このような快適空間を
手配してくださった
のでしょうか。

(ほんとうに、
ありがたいです)

私は
キャリーケースから
入院グッズを取り出し

・携帯の充電器OK!
・冷蔵庫にお水セットOK!
・雑誌&新聞OK!
・着替えOK!
・洗面道具OK!

指差し確認をしながら
ベッドまわりを
使い勝手のよいように整え
ひとまず
ホッとした。

担当の看護師さんが
このあと、13時くらいから
ドレナージの処置を
ここで行います、と言って
てきぱきと

・体重
・血圧
・酸素飽和度
・いま、一番つらい症状

などを
確認してくれた。
とても信頼できて
感じのよい方。

(どうぞ、よろしくお願いいたします)

お部屋にある
広々としたトイレ空間と
ベッドのあるメインのお部屋を
レイキパワーで浄化したあと、
部屋を出た。

(ちゃんと清めたから
安心してね!)

先週末から
またコロナが増え出したせいで
面会が禁止となっている。

術後の経過によって
入院期間は1〜2週間の予定。

しばらく
家族みんなが
寂しい気持ちを抱えながら
それぞれ
自分と向き合う時間を過ごします。


『無人島のふたり』山本文緒・著

お別れの言葉は、
言っても言っても言い足りないーー。

ある日突然がんと診断され、
夫とふたり、無人島に流されて
しまったかのような日々が始まった。

余命宣告を受け、それでも書くことを
手放さなかった作家が、最後まで綴った日記。

(本の帯より)


山本文緒さんの文章は
とっても好きです。
そして、この本の
装丁がとても綺麗で
素敵で
色や雰囲気や
手触りまで
すべて
心地よい感じです。

内容はディープですが
とても軽やかで
洗練された印象を受けます。

ところどころで
やっぱり
涙がこぼれてしまうけれど
闘病生活中の
文緒さんの言葉から
勇気や希望をもらえました。

在宅療養のあり方
についても
とても参考になりました。

ほんものの
温かい愛に包まれている一冊です。


9月1日 みんなのあんしん・介護保険

市役所・高齢福祉課へ(介護保険申請)

先日、
包括支援センターでもらった
介護保険申請書」を提出しに
市役所の高齢福祉課へ。

父が退院したときの
《環境を整えたい》
と思ったから。

父は自宅で
2階の寝室を使っていた。
毎晩、階段を這うように
登っていたらしい。

このことを聞いた
看護師さんたちは
みんなビックリしていた。

「こんな状態で
よく階段のぼれましたね」

(私たちが思っている以上に
深刻な状態なのだろうか?)

そのようなことを踏まえ
退院後は1階のリビングに
介護用ベッドを設置したい
と、担当の女性に伝えた。

ものすごく
歯切れよく
ジョーダンも交えながら
テキパキと
状況を判断し、
書類を整えてくれた。
(大変たのもしい)

「では、この書類を持って
県病院に提出してください」

このあと
◎ 認定調査のため
父のところへ
ヒアリング担当の方が
来ること
◎ 入院中に病院で行われるか
退院後、自宅になるかは未定
であること
◎ 調査員と主治医の意見によって
介護ランク(受けられるサービス)
が決まること
など
詳しい説明を受けた。

県病院へ書類提出(主治医意見書)

県病院には
本人と家族を支える
「緩和ケアチーム」がある。

主治医のY先生から
緩和ケア外来の受診を勧められ、
「もちろんお願いします」
と答えた。

意見書作成書類を
受付に提出すると
病棟から一人の女性が
私たちの元へやって来た。

彼女は、
入院、退院、在宅までを通して
患者のマネジメントを行う
担当の方らしい。

こうした一連の流れを
スムーズに進めてくれる方がいると
大変ありがたい。

入院中の父の様子も
教えてくれた。

「お父様、しっかりしてますね。
頭も、言葉も、行動も。
しっかりしすぎるから
逆に、介護保険のお話は
ちょっとお伝えしにくかったんです」

(そうだろうなぁ。
眼に浮かぶ。
入院中は、
余計にしっかりするよね・苦笑)

「今一番つらいことは
お風呂に入ること、って
おっしゃってましたよ。
あの状態だと
頭洗ったりする動作だけで
息があがっちゃいますものね」

ベッドだけではなく
入浴のサービスも
あったほうがいいかもしれない。

父には
わたしのほうから

  • 介護保険申請
  • 認定調査
  • その他もろもろ

あらかじめ伝えることを約束して
ひとまず帰宅することにした。

荷物受渡許可証

父に電話をして
退院後、
自宅で療養できるように
環境を整えたい旨
伝えた。

「まだ、2階で大丈夫だ」

という父の言葉を
半ば制するように
現時点の状況(連携)と
最善と思われる
「対策」について
言葉を選びながら伝え、
了承を得た。

すでに、
市役所の高齢福祉課から
介護認定調査の日時が決まり
入院中にそれが完結すること
について、電話をもらっていた。

(とても効率的に
調整がつき、ものごとが
流れていることに感謝です)

父に、調査日程を
伝えると

「部屋にペンとメモがないから
持って来てくれ。
あ、あと、
胸膜をくっつける説明が
先生からあったけど、
なんだっけな、よくわからん。
赤ちゃんがつける粉に
入ってるやつ、と言ってた……」

(タルクですね)

「わかった。
じゃ、あとで
ペンとメモを
届けるわ」

もうそろそろ
胸膜癒着の処置が
行われる様子。
大丈夫だろうか。
ちょっと心配。



本日2度目の県病院へ。
ご所望の
ペンとメモに加え
新聞と『文藝春秋』
をセットにして
病棟の受付の方へ
受け渡しをお願いした。

タイミングよく
担当医のY先生にも会えて
その場で
父の様子を聞くことができた。

「ちょうど
胸膜癒着の薬を
入れるところです」

安全性の高い
タルクを使うこと、
もし、それが効かない場合は
ピシバニール®を使うことの
説明を受けた。

「先生、どうぞ
よろしくお願いいたします。
退院のめどが立ったら
教えてください」

・介護保険の担当医意見書
・緩和ケア外来
・その後の在宅療養

すべてについて
ちゃんと先生も了承し
対応してくださっていることが
わかって、とても安心した。

夕方、
県病院から再度
電話があり
緩和ケア外来の予約枠に
ちょうど空きが出たので
その日はどうか?と打診があった。

「もちろん、お願いします
母とふたりで伺います」

と伝えた。
その日に合わせて
在宅療養の医療ケアチームとの
打ち合わせも
セッティングしてくださった。

今日出会った方々
皆さまのお力添えに
感謝です。

ありがとうございます。

>おうちで出来る「セルフケア」

おうちで出来る「セルフケア」

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