【医療用麻薬・モルヒネ】肺がんの呼吸困難を緩和する選択肢のひとつ

在宅での症状コントロール

9月15日 抜糸

退院からちょうど1週間が経った。
この日、
かかりつけ医のドクターが
「抜糸」をするために
初めて往診に来てくださった。

「おひさしぶりです」

父と先生は10年以上のお付き合い。
すでに信頼関係が
成り立っている。

「リビングにベッドを
置いてもらって
よかったですねぇ」

(先生いわく、
リビングにベッドを置いてもらえるのは
家族から大切にされている証拠
とのこと・笑)

聴診器で胸の音を聞く。

「バリバリいってるなー」

(胸膜癒着でくっつけたところが
呼吸するたびに動いて
そういう音がするらしい)

そんなことを言われると
びっくりするけれど、
バリバリするからといって
痛みがあるわけではなさそう。

父は
先生がいらっしゃる前に
身だしなみを整えようと
洗面所で髭をそった。
その動作だけで
顔面が真っ白
(血の気が引いてしまい)
大変だった。

でも、
その心がけ
人と会う前に
身だしなみを整えようとする
その気持ちが
とても素晴らしいな
と私は思う。

「酸素、どうですか?
調子いいですか?」

血圧や飽和酸素度を
チェックしながら問診。

うなずく父。

酸素をつけて初めて寝た翌朝

  • 少しぼーっとした
  • ベッドの上げ下げをする
    リモコンの使い方(意味)が
    わからなくなってしまった
  • 会話が途中でとぎれ
    何を言おうとしていたか
    忘れてしまった

といった症状が
一時的にあったことを
私から先生に伝えた。

「それがずーっと続くなら
よくないけれど
すぐ戻ったでしょ?
だったら、大丈夫」

たしかに、
それ以降、頭もしっかりしている。

あいかわらず
不機嫌と
体動時の息苦しさ
そして
食欲のなさ(胃のむかむか)
が気になる症状。



この日、先生は
お守りとして
「医療用麻薬(モルヒネ)」
「ロキソニン」
「抗生物質」
の3つを処方してくれた。

優先順位は痛みや苦しみを取り除いて
「おだやかに楽しく過ごす」です。

今のところ【痛み】が出てないのが、幸いだ。


9月16日 はじめてのモルヒネ(オプソ®️)|呼吸困難の初期


酸素のおかげで
呼吸はかなり楽になっているが
・身体のだるさ
・胃のむかむか
がひどくなってきて
また、食べ物を一切
受けつけなくなってしまった。

(ひどく険しい表情……)

★モルヒネについて★ 効果的な使い方

父の今の状態は
動くと息が切れる、苦しくなる
といった
「体動時呼吸困難」(初期)

この場合、
すぐに効く
速放性のモルヒネ(オプソ®️)を
うまく使うことがポイント。

オプソ®️は
飲んで30分〜1時間で
効果が出始め
3〜4時間で効果が切れる。



父はこの日の夕方
(夕食前)
あまりにも辛く
咳も出て苦しい
感情のコントロールも
むずかしそうだったので
私は
お守りのモルヒネ(オプソ®️)
を父に勧め
はじめて飲んでもらった。

オプソ®️は液体で
スティック状の袋を切って
チュッと簡単に飲める。

モルヒネに対する誤解

医療用麻薬(モルヒネ)
というと
うちの父なんかは

「安楽死か?」

みたいな、
ひどい誤解をしていた。

退院の前日に
緩和ケア外来で
コンサルを受けたときに
ボソッと父がつぶやいて
みんなをギョッとさせた。

(世の中の多くの人が
モルヒネに対して
ネガティブなイメージを
もっているのかもしれない)

ほんの1週間の入院で
すっかり弱々しくなって
車イスに小さく座っている
父の姿を見て
なんとも言えない複雑な
気持ちになった。

「いやいや、
そうじゃないです。
それは大きな誤解ですよ」


ーーーーーーーーーー

  • 「モルヒネは麻薬だから
    中毒や依存症になるんじゃないか?」
  • 「これを使うと寿命が縮まる」
  • 「最後の手段、もうおしまいだ」

ーーーーーーーーーー

そのようなことを言う
患者さんやご家族も
多くいらっしゃいます。



うちの父も
最初オプソ®️を飲んだときは
半信半疑(恐る恐る)
だったけれど
30分もすると
楽になるし
起き上がれるようになるし
食べれるようになるし
眠れるし
動いても苦しくないし
胃のむかむかも無くなるし

と、まぁ
いいことずくめ。

なにより、
表情がやわらかくなる
エネルギーがまるくなる
のが良い。

本人も
家族も
みんな、まるくなる。

やさしくなれる。



(わたしたち
人間だから、
毎日の生活のなかで
いろいろあります)

だるい
食欲がない
眠れない
思うように身体を動かせない
イライラが募る
そうなってくると
ほんと、つらいですよね。

身体的にも
精神的にも
消耗してしまう。

「緩和ケア」は
そうした苦痛を
適切にコントロールして
やわらげることができる。

医療用麻薬は
決して恐いものではないです。

ありがたいです。
==========

  • 緩和ケア
  • 在宅療養
  • 医療用麻薬(モルヒネ)
  • 酸素療法
  • アロマトリートメント

==========

終末期に限らず
適切なタイミングで
取り入れることで
QOL(生活の質)がグッと上がることを
皆さんに知っていただきたいです。

最後に
もう一度、お伝えします。

医療で使うモルヒネは
全く危険なものではなく
痛みや苦しみを緩和し
呼吸困難を楽にしてくれる
とても有用なお薬です。

食のサポート(食欲のないとき)

9月17日 Soup Stock Tokyoの冷凍スープ

さいたまの妹ちゃんが
お見舞いに来てくれた。
いろいろ持ってきてくれた中で
父が喜んだのは
スープストックトーキョーの
冷凍スープ。

お気に入りは
「北海道産かぼちゃのスープ」
です♪

具が入っていると
飲み込みにくいみたいで
とろみのあるシンプルな
ポタージュが良いみたい。

食べたいときに
食べたいだけ
いただくことができる
(電子レンジで4分ほど
チンすればOK!)
この手軽さがありがたい。

手づくりの食事を作っても
体調によっては
食べられないときもある。
(せっかく作ったのに
無駄になってしまうと
母もガッカリしちゃうので)

ちょっと手抜き(息抜き)しても
満足感を得られる
Soup Stock Tokyoの冷凍スープ
こういうの、いいよね。

母の日や出産祝いなどの
ギフトとして支持が高い
みたいだけれど
在宅療養のお見舞いとしても
本人や家族みんなが
喜ぶと思う。

妹ちゃん、
Muchas gracias.
カムサハムニダ!

9月20日 水晶文旦


高知のおばちゃん、
ありがとうございます!

父がとても喜んで
朝一番(おめざ)に
パクパクと
おいしそうに
食べました。

果汁たっぷり、
ビタミンC
ミネラル
水分補給ができ
非常にありがたく嬉しいです。

やっぱり、
こういうときは
フルーツが一番ですね。



==========
《水晶文旦》
緑色でも中身は完熟。
文旦のなかでは
一番「糖度」が高い。

ライムのような
すっきりとした
みずみずしい
柑橘系の香りが印象的。

高知も
文旦も
大好きです♡

ご先祖様にも
お供えして
喜んでいただいております。

母もわたしも
ご相伴にあずかりました。

お心遣いに感謝です。
==========

ほぼ毎日、日替わりドリンク

水分補給は
次のルーティン。
(飲みたいときに
飲みたいものを)

  • 水(白湯)
  • トマトジュース(食塩無添加)
  • リンゴジュース
  • ぶどうジュース
  • ほうじ茶

9月20日 お茶漬け(茅乃舎だし)

煮出しただしを注ぐだけ。
簡単レシピはこちら
超・おいしい🎵

ふたくち、みくち
食べるのがやっとでも
一生懸命、食べようと
がんばっている父。

(無理しないようにね)

ファイティン!!!


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おうちで出来る「セルフケア」

年齢や性別を問わず誰でもマスターでき、自分と家族、大切な方々へのケアを日常的に実践できる方法をお伝えします!
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