【肺がん終末期】月単位→週単位へ|共にあること、存在|価値基準に沿った私らしい(あなたらしい)生き方

家族での話し合いの時間

10月2日 母の誕生日

スイフヨウ / 時間とともに変化する花の色

父の故郷、高知県安芸市では
少し前から見頃を迎えている
酔芙蓉(すいふよう)。

朝・白色の花が
昼には淡いピンク
夕方には濃いピンクに
変化する様子が
まるで、お酒を飲んで
酔っ払っているようだ
という、
ネーミングの由来も
気に入っている。

昨年、花木センターで買った
我が家の
酔芙蓉(すいふよう)も
見頃を迎えたので
父が寝ているリビングに
鉢ごと持ってきた。

「おやじもこの酔芙蓉が
大好きだったな…」


今朝、新たに咲いた
ひとつの白い花を眺め
父がつぶやく。

その花の向こう
壁際の飾り棚には
祖父・祖母らの写真が
並んでいる。

(おじいちゃん、おばあちゃん
どうぞ、
父を見守ってください)



今日は
母の81歳の誕生日。

「もうオレは
何も食べれないし
何も飲めないけど
お母さんに何を買うのがいいかな?」

そんなふうに
私に聞いてくる父。

(涙がでる…)

しばらく
ベッドの上で
目をつぶり
考えた末、


「花束と、
赤ワインを
ひと口だけ飲もうかな」

笑顔を浮かべて
父が言う。

(うん、賛成!)

仰せのままに、
父の意向を汲もうと思う。


一緒に過ごす時間

余命が
【月単位】から【週単位】へ
移行していることは
何となく感じていた。

先延ばしにしていた
現実的な話を
家族でしておかなければ。

父は以前
(がんと分かる前)は
こうした死に関する話題を
一切受け入れなかった。
母がちょっとでも
聞いたりすると
不機嫌になってしまい
その先に進めなくなってしまう。

  • 相続のこと
  • お葬式のこと
  • 「お別れ会」をどうするか?
  • 戒名を授けてもらうお寺のこと
  • お墓のこと
  • 亡くなった後、
    連絡する必要のある各方面について


など。

父も
ここへ来て
自分で自分の身体のことが
よくわかるらしい。

「もう、長くないな…」

とボヤきつつ
私たちからの
質問や提案に
素直に向き合い
自分の希望を答えてくれる。



親戚の皆さまのサポートもあり
書類関係など
スムーズに事が進んでいく。
父も気にしていたことが
解決して
スッキリした面持ち。

(よかった)

皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。

リンドウ(竜胆)の花束

母が好きな
リンドウを入れて
花束をつくってもらった。

とても
秋らしくて
センスがいい。

(素敵だ)

急いで家に帰る。

ベッドから身体を起こし
90度向きを変えて
腰掛ける
そんな
普通の人だったら
なんてことない動作も
今の父にとっては
ものすごく
大変で
時間がかかり
エネルギーを消耗してしまう。

(それでも
母にちゃんと
心からの花束を
手渡したかったんだろうな)

父の息が
整ったところで
母を呼んで
リビングに入ってきてもらった。

ふたりとも
何となく
照れくさそう。

結婚してから
50年以上。

いつもどおりの
ふたり。
でも、
終わりを覚悟している
ふたり。


「Happy Birthday」


照れ隠しの英語。
父は、ゆっくりと
一文字ずつ
読み上げるように
ハッピー・バースデイ
と声に出し、
リンドウの花束を
母に渡した。



父が、肺がんステージ4
と宣告され
バタバタバタっと
慌ただしく流れた
この2ヶ月ほどの短い間に

  • 父↔︎母
  • 母↔︎私
  • 私↔︎父


家族として
個々・全体において
ものすごい
「浄化」が起こっている。

けんかもしたし
怒鳴ったり
傷ついたり
泣いたりもした。

まだまだ十分じゃないかも
しれないけれど
でも、しっかりと
お互いに
向き合った。

「後悔はしたくないから」

「がん」というのは
余命がある程度わかるのがいい。
いろいろな準備ができるし
残された時間を
大切に過ごすことができる。

あと、
父の場合は
がんの発見が遅くてよかった。
好きなお酒もタバコも
好きなだけ
(限界まで)
十分に楽しんで
苦しい期間は短くて済むのだから。

いまでは
父も母も私も
そのように受け止めている。

心筋梗塞や脳梗塞、
交通事故などの突然死よりも
よっぽどいい。

終末期の時間は
神さまからのプレゼントだ。

「ありがとう」

なんか、今日は
ワインを飲み過ぎてしまった。


身体に起こる変化

排泄(トイレ)

父は
吐血・下血した日を境に
貧血だろうか、
徐々に
ベッドから起き上がるのも
つらくなり
トイレに自分で行くことが
できなくなった。

紙パンツ(+尿取りパッド)
を履くことで
本人は
おむつは嫌だけれど
歩行にともなう苦痛や
失禁への不安が無くなり
「安心」のほうが
大きくなったようだ。

でも
そろそろ
パンツタイプから
テープ止めタイプへ
変更しないとダメかも。

(パンツ交換のために
立ち上がることが
もう、無理かもしれない)


看護師さんから
尿取りパッドのあて方
(男性の巻きあて)
というのを教えていただいた。

  • 紙パンツ
  • 尿取りパッド2枚

詳しくは
YouTubeなどで
解説しているのを
ご覧いただくのが良いと思う。

これによって
本人も家族も
楽にパンツ交換が
できるようになった。

尿量が少ない場合は
巻いてあるパッドを
交換するだけでOK!

(これ、オススメです)

見当識障害(アナログ時計が読めない)

オプソ(医療用麻薬)について。
父は自分で1日3回
8時間おきに飲むと
決めている。

ドクターからは
4回でも10回でも大丈夫
と言われていても
3回をかたくなに
死守している。

(それ以上飲むと
頭が狂ってしまう
と思っているらしい)

でも、最近
肝心な時間管理
(8時間ターム)が
あやふやに
なってしまって
時計を見ながら
説明しても
うまく理解ができない。

そこで、
時系列に
時計イラストを3つ
(①朝 ②昼 ③夜)
並べて、
目のつきやすいところに
置くことにした。

ーーーーーーーーーー

  1. 朝 4:00
  2. 昼 12:00
  3. 夜 8:00

ーーーーーーーーーー

といっても
2時間くらいのズレは
体調によって
フレキシブルに
ゆる〜くやっている。

(これくらいが
ちょうどイイ)

このオプソと
酸素のおかげで
ほんとうに
在宅でも
入院しているのと同じくらい
もしくはそれ以上に
穏やかに安定して
過ごせていることに
心から感謝したい。

今、食べれるもの

ダノンBIO(シチリア産レモン🍋)

いま、これだけは
「おいしい」と言って
食べてくれる。

好きなものが見つかって
よかった。

あと、
ハーゲンダッツの抹茶アイス♪

(やっぱり
高級なものが好きみたい)

左脇の下に、大きな無痛のしこり

母と一緒に
父の身体を拭き
アロマトリートメントをしていると

「何これ!?
ねぇ、ちょっと
脇の下、見て!
大きなゴロンとしたものが…」

母がびっくりした様子で
しこりを触るように促す。

父は昨日
自分で体温を測るときに
気づいていたらしい。

看護ステーションに電話をして
報告すると

「おそらく
リンパ節に転移したのだと
思います。
看護師とドクターに
伝えておきますので
次の訪問日まで
様子をみてください」

とのことだった。
慌てる様子はまったくない。
この段階で
何か特別な処置をすることは
ないらしい。

(そりゃ、そうだろうな
と、思いますけれど…)

ガリガリの腕を上げて
ゴロンと大きなものが現れると
結構ビックリするし
グロテスクなのです。

介護保険の認定通知|軽度者申請

認定調査日:9月5日〜認定日:9月21日 

多治見市役所 
高齢福祉課介護保険グループ
からの書類が届いた。

9月5日に
父が入院中の県病院で受けた
「認定調査」の結果だ。

封筒を開け
書面をひらいてみる。

結果は…
【要介護1】

この通知を
受け取ったのが
9月25日。

この前日には
急性の吐血・下血という
大惨事が起こった。

思ったのは、
結果がどうのこうのではなく
「肺がんステージ4」だと
この通知を待っている
たった20日間のあいだにも
症状がかなり進行してしまう
ということだ。



【要介護1】だと
介護ベッドが実費に
なってしまうので
ケアマネさんに連絡をして
適切な対応を依頼した。

すぐに
「軽度者申請」の手続きを
してくださり、
翌日には、
市役所の承認がおりて
介護ベッド一式が
遡って
介護保険適用となった。

この迅速かつスムーズな
連携と対処に
感動するとともに
感謝の気持ちで
いっぱいになった。

思えば、
ケアマネさんが
あらかじめ、
褥瘡(じょくそう)
床ずれ防止のマットレスを
選んでくださっていたこと
この判断が
素晴らしいと思った。

(要介護1→「軽度者申請」
このような事態も
見越してのことだと思う)

父の【在宅療養】を
温かく見守り
サポートしてくださる
すべての皆さまに
心から感謝申し上げます。

いつもありがとうございます。

価値観に沿った生き方


「価値の序列」を変える

  • 人生の優先する「価値観」を発見し
  • その価値観をベースに人生の目標を立てたり
  • やらなければいけないことと「価値観」をリンクさせることで
  • 行動を促し、成果を上げていく


Step: 認識→選択→楽しむ♪

いい悪いを判断している時点で
物事の半分しか
見えていない
という事実。

あれから11年。

ネガティブに思える出来事も
じつは
それと同じ質量の
ポジティブなもの
「何か(something)」が
存在している。

【愛】【感謝】【存在】【確信】



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おうちで出来る「セルフケア」

年齢や性別を問わず誰でもマスターでき、自分と家族、大切な方々へのケアを日常的に実践できる方法をお伝えします!
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